◆木のはなし◆ コルク樫
- 2018年10月02日
- 木のはなし
コルク樫の主な産地として有名なポルトガルでは、全世界生産量の70%を生産しています。
そのほかに、スペイン、南フランス、北アフリカの地中海沿岸地域にだけ、
コルク樫は生息しています。
コルク樫というと、一番イメージしやすいのが「ワイン栓」
ワインは酸素と触れると劣化しやすく、逆に空気を断って長く熟成させると香味が
向上します。
永い年月をかけて熟成させるには、コルク樫の特徴でもある
水を通さないが、通気性がわずかにあり、腐敗に対する抵抗力も強いため
ワインには最適とされています。
日本でも、明治初期に国産ビール瓶にコルク栓が使われており、栓が抜けないよう針金で
コルクと瓶を固定していました。
1888年(明治21年)に発売されたキリンビールには、
大瓶で4.4㎝、小瓶で3.8㎝にスペイン産のコルク栓が使われていましたが、
引き抜くのに時間がかかり、抜いた瞬間、泡が噴き出すこともあったので、
次第に王冠へと移りかわっていきました。
そのように歴史のあるコルク樫ですが、最大の魅力は、
木を伐採するのではなく、羊の毛を刈るように樹皮だけを剥ぎ取って原材料
できる点です。
大変生命力の強い木で、大切に管理すると寿命はおよそ150~200年にも及ぶと言われます。
皮を剥がれても9年で再生し、木を伐採することなく何回も皮をはぐことができるので、
次世代に受け継がれている理想のエコ素材となります。
さらに断熱性・保温性・吸湿性・吸音性に大変優れ、
コルク樫自身空気を含んでいますので、冬場でも温かみがあり、また硬くない木材です。
★この記事を書いたのは: 野本 です★
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