サーモウッドとクラフト紙
- 2015年07月06日
- お知らせ
先週の土曜日に、大学の恩師の退官祝いで母校へ帰ってきました、宮崎です。
実は学生時代は環境森林科学科・森林生物化学研究室在籍という、別の意味で森ガールをしておりました。
そんな元ガールから、今回はちょっとマニアック専門的な言葉も含めた、木の成分のお話です。
最近じわじわと認知度が広がりつつある、サーモウッドシリーズ。
生木とは異なる濃い色合いが特徴です。
この濃い色は、塗装などではなく、リグニンという木の成分がサーモ処理により変化した色です。
左:サーモ処理していないレッドパイン 右:サーモ処理を施したサーモパイン
リグニンとは木の約2割を占める樹脂系の成分で、セルロースなどのいわゆる食物繊維のスキマを埋め、木の圧縮耐力などを左右する、鉄筋コンクリートでいうコンクリートの様な役割をしている成分です。
このリグニンがサーモ処理により軽く焦げる(カラメリゼといいます)ので、サーモウッドは生木よりも濃い色になるのです。
ちなみに元々のリグニンは黄色っぽい色をしており、このリグニンを薬品などで白く漂白したものが上白紙、漂白していないものがクラフト紙になります。
意外と身近な所にいるんですね。
こんなマニアックな木の小話も、時折ご紹介していこうと思います。