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2020年09月15日

天然木について ②木の基礎知識

第二回目の今回は、「木の基礎知識」

基本的な内容ですが、「知っているようでじつは知らなかった」というような情報もあるかもしれませんので、ぜひご一読ください。

木の種類

まずは、木の種類から。

木の種類は大きく「針葉樹」「広葉樹」に分類されます。針葉樹は針のような葉をつけるのが特徴で、広葉樹は平べったく開いた葉をつけます。

 

針葉樹

針葉樹の代表格は杉・ヒノキ・パインなどです。針葉樹は英語で「ソフトウッド」と言い、

その名の通り、商品としてはやわらかく、あたたかみのあるものが多いです。

仕上がりイメージはとしては素朴で、ナチュラルな雰囲気になります。

木ならではのぬくもりを感じられるのが針葉樹の最大の特徴です。ただし、キズがつきやすいという点はご注意ください。

広葉樹

一方で、広葉樹の代表格はオーク、バーチ、ウォルナットなどです。

広葉樹は英語で「ハードウッド」と呼ばれ、一般的に硬く、重量感のある木が多いです。

ただし例外もあり、あの軽くてやわらかい「バルサ」は実は広葉樹なのです。

節がある商品はラフでワイルドな仕上がりになり、節がない商品はモダンな、クリーンな仕上がりになります。

木の種類が多く、選択肢が多いのも特徴です。また、針葉樹に比べて硬さもありますので、キズがつきにくいです。

赤身と白太

次は「赤身(心材)」「白太(辺材)」です。

特に杉の丸太を見ればわかりやすいのですが、木の芯に近い方が赤い色をしていて、周りは白っぽい色になっています。

これが「赤身(心材)」と「白太(辺材)」です。

 

木は、樹皮のすぐ内側が成長し、太くなっていきます。つまり、木の芯から外に行けば行くほど新しくて若い細胞ということになります。これを「肥大成長」と言います。

 

木の若い細胞は水を通し、木全体に栄養を送ります。それが白太の役割です。その若い細胞は年月が経つとその役割を終え、だんだんと「赤身」に変化していきます。

 

赤身は白太と比べて硬く、木を支える役割をしています。また、赤身にはたくさんの樹皮成分が含まれており、虫に食べられにくい防虫成分や、腐りにくい防腐成分も含まれています。そのため、赤身の天然木商品は、水や湿気の影響を受けやすい場所など、耐久性が求められる箇所に使われることが多いのです。

 

赤身だけの商品を作ろうとすると大きな丸太が必要になるため、赤身だけの天然木商品は、一般的には高値になります。

 

ちなみに、赤身と白太が混在している商品を「源平」と呼びますが、これは昔、「源平の合戦」で源氏が白旗・平氏が赤旗を掲げていたことに由来しているようです。

杉 赤

杉 源平

最後に、節についてです。

「節」ってそもそも何か、お分かりになりますか?

節は、木の「枝の跡」です。

木は枝から葉っぱを茂らせて、光合成をして成長していきます。木には必ず枝があります。

枝のない木は存在しません。木の成長の基になっている枝の跡こそが、節の正体です。

一方で、無節という天然木商品も存在します。

これは、木の成長過程で、「枝打ち」という枝を切り落とす作業をして、あえて節ができないように、労力と時間をかけて作るのです。

 

節あり・節無し、両方とも木の魅力を存分に味わえることには変わりませんが、

最近では、自然そのままの木を楽しみたい場合、あえて「節あり」を選ぶ方も増えています。

節ありオーク(ラスティックオーク)

節が少ないオーク(アーバンオーク)

天然木を知る上で欠かせない、木の基礎知識をご紹介しました。

やわらかさ、木目、節など、木にもそれぞれの個性があることを改めて知ってもらえたら幸いです。