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2021年02月01日

天然木について ⑤注意点

天然木を使った自然素材のフローリング・サイディング・ウッドデッキは、工業製品とは違い、生きた木を使った商品です。そのため、既製品にはない良さもありますが、反面、知っておいていただきたい点もあります。

1本1本、個性があります

木はそれぞれの環境に適した成長をするため、同じ樹種でも1本1本異なる色合い・木目をしています。節の入り方も個性があり、中には下記のような特性を含むものもございますが、自然由来の証であり商品の個性を示すものですので、予めご了承の上でご検討いただけますようお願いいたします。

フローリング

※パテ埋めなど、節の補修が入る場合もあります。

エクステリア(デッキ・サイディング)

より良い仕上がりのために、施工前には一度全部仮並べをして、色柄を調整してから貼っていただくようお願いしております。また、事前に「サンプル品」で仕上がりをご確認いただくか、ショールーム等もぜひご活用ください。

年を重ねると、経年変化します

自然素材は、年数がたつにつれ、紫外線の影響や酸化などにより色味が変化します。特にパイン材は、白っぽさが目立つ新築時と違い、数年経つと濃い飴色に変化していきます。「琥珀色」と表現される、美しくツヤのある色は、とても落ち着きのある素晴らしい色合いです。新築時の色味を長く保ちたい場合は、塗装品をお選びいただくことをおすすめします。

フローリング

レッドパインフローリングの経年変化

エクステリア(デッキ・サイディング)

サーモアッシュデッキの経年変化(屋外は室内に比べ木にとって過酷な環境となり、経年変化が早くおこります)

生きているからこそ、木は動きます

木は周辺の湿度により吸湿・放湿を行いますので、施工した後も伸び縮みをします。含水率にこだわり、できるだけ伸縮を抑える工夫を施していても、生きた木の魅力を活かしている以上、伸縮を全くしない商品にすることは不可能です。冬には隙間があきますが、梅雨時には戻ります。伸縮と上手にお付き合いいただくためにも、施工要領の順守をお願いいたします。

 

また、温度・湿度などの使用状況により、反り・狂い・割れなどが発生する場合があります。下記にはご注意いただくようお願いいたします。

 ・乾燥時期は、過乾燥にならないよう室内の湿度にご注意下さい。
 ・永くご愛用いただくためにも、定期的なメンテナンスをおすすめいたします。

photo by Sundermeiera

お手入れ時の注意

天然木はやわらかさ・肌触りの良さが魅力でもありますが、その分、お手入れが必要になります。お手入れを行う際は、必ず自然素材用の、表面仕上げに合ったメンテナンス用品をお選びください市販の床用クリーナー、ワックス等は白濁やシミになる可能性があります。必ず無垢フローリング用の表面仕上げに合ったものを選び、目立たない場所で試した後にお使いください。また、フローリング表面に水などをこぼすと染みになる可能性がありますので、すぐに拭き取っていただくようお願いします。

その他

床暖房について

無垢フローリングで床暖房との併用をご検討の場合は、必ず床暖房に対応したフローリングをお選びください。床暖房対応の無垢フローリングでは、含水率を低くするなどより木が動きにくい工夫が施されていますが、前述のように木は吸湿・放湿を行いますので床暖房対応品であっても伸び縮みがあります。

虫害について

また、天然木(特にオークやバーチといった広葉樹)では特性上、キクイムシなどの虫害が発生する場合があります。製造時に高温乾燥処理を施すことでほとんどは死滅しますが、天然木のためこのような害を受ける可能性があります。

 

自然素材は工業製品とは異なり、注意点も多く感じたのではないでしょうか。

しかしその分、あたたかみや味わい、調湿効果など、自然素材ゆえの魅力もたくさんつまっています。

自然素材の良い点と注意点、両方を踏まえて検討いただければと思います。