2024.03.26
[施工例インタビュー]こだわりの家づくり
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フローリング
エクステリア
2020年08月20日
古くから日本人に親しまれる杉。
さらさらとした肌触りとやわらかさが人気のフローリングです。
今回は杉フローリングの特徴をご紹介します。
「杉」という名は「まっすぐ」に生えることに由来しています。素直に真っすぐ育つため、梁や柱などの角材/床や天井に使う板材を挽くのに効率が良い、強くて軽い、豊富で安価などの利点を多く持つため、昔から日本の家の柱や床、壁などにたくさん使われていました。
木材の硬さの基準の一つに、気乾比重(きかんひじゅう)というものがあります。これは木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値で、数値が大きいほど重い木材、小さいほど軽い木材ということを示します。
【気乾比重】
・スギ :0.38
・ヒノキ:0.41
・ケヤキ:0.62
・チーク:0.69
このように、杉は比重が低く、空気を多く含んでいる分軽く、やわらかい木材です。
実際に触るとやわらかさと、さらさらとした肌触りを感じることができます。
やわらかい分、硬い木材と比べると、傷やへこみはつきやすいです。
空気を多く含んでいるため、あたたかさも感じることができます。
素足で歩いても気持ちがよく、特に冬には他のフローリングと比べてもひんやりとした冷たさは感じにくいです。
杉の天然林分布は、青森県から屋久島まで広い範囲でみられますが、杉は水分を好む植物で、土壌水分ばかりでなく、空中湿度にも深くかかわり、霧が立つところで良く育つといわれています。
県土の76%を森林が占める徳島県には徳島藩の時代、御林という藩有林があり、明治初年には那賀川流域の旧木頭村には、広大な天然杉の美林が残っていたといいます。那賀郡全域において育てられた杉は、「木頭杉(きとうすぎ)」と呼ばれ、1980年代からは「徳島杉」という名のブランド材として親しまれるようになりました。
木の中心にある「心材」は、生命活動を停止している部分です。木は何十年もの間、何十メートルもある自分の体を支えながら生き続けますが、全ての細胞(心材・辺材)が活動していては、根からの十分な量の水分を吸収することができません。そこで、ある程度年数の経った細胞(心材)は活動を停止し、眠りにつくのです。
眠りについた赤い部分の細胞(心材)は、生命活動をしなくなるので、そのままではシロアリやその他の害虫のエサになってしまう可能性があります。そこで、何年もかけて、自分を守るための成分を貯えて眠りにつきます。(杉の心材が赤い理由は、この成分を貯えている証です)そして伐採されてからも、この部分には成分が残るため、水やシロアリに対して強い部分となるのです。
水やシロアリに強い成分のつまった心材の赤み部分ですが、この部分を美しく残すためには乾燥方法にこだわる必要があります。まずは木を伐採した後、屋外で自然に乾燥をさせます。期間は時期にもよりますが、おおむね4ヶ月~5ヶ月程度です。専用の板干し場で乾燥し、木に含まれる水分の量「含水率」を25%まで下げていきます。自然での乾燥のあとは、機械でさらに乾燥させていきます。45℃の低温で1週間程度、じっくりと乾燥させていくことで、含水率を8%±2%まで落としていきます。低温でゆっくり乾燥することで、きれいな赤みを残すことができるようになります。
杉の丸太
人工乾燥
杉はもともと乾燥が難しく、高気密高断熱住宅には不向きとされてきました。しかし近年、乾燥技術の向上と、森林管理技術の向上により、反り・狂いを抑えた、高品質な杉フローリングをお届けできるようになりました。中でもさらに乾燥にこだわった床暖房対応の杉フローリングでは、下記の3つの工夫を施しています。
木材には一度乾燥した状態を覚える性質があります(ヒステリシス)。そのため、含水率が8%まで到達した木材は、含水率が増えても再び8%に戻ろうとします。これが含水率にこだわる理由です。天然乾燥で含水率15~18%程度の木材や、人工乾燥で13%程度しか下がっていない木材は、冬場の乾燥時期で8%程度になると大きく縮むこともあります。
木材の内部の水分が出てくるのは、40~50℃の低温域とされています。そこで低温乾燥することで、木の持つ油分を残したまま木の内部まで乾燥することができます。
乾燥スピードを速めるために中・高温域まで上げると一緒に油分まで飛んでしまい、割れ(内部割れ)が発生する原因にもなってしまいます。内部が割れてしまった木材は、強度的にも弱くなり、温度変化による伸び縮みが出て割れが外側まで出てくることもあります。
木材は外側から乾いていくので、通常外側の含水率が低く、内側は含水率が高くなります。その含水率のばらつきのことを水分傾斜と呼びます。水分傾斜が極端だと、乾燥後に内部の水分が外側に移動し、施工後に毛羽立ちやカビが発生したりします。そのため、できるだけ水分傾斜を少なくする必要があります。
床暖房対応の杉フローリングには、1本の丸太から2本程度しかとれない赤み(大トロ部分)を使用しており、希少価値の高いものとなっています。
素足に伝わるさらさらとした肌触りとやわらかさ。
古くから愛される杉の良さを存分に感じてもらえるよう、反り・狂いが少なく、長く使用いただけるよう、杉フローリングには様々な工夫を施しています。
日本人だからこそ、一度は触れていただきたいフローリングです。
参考文献:『循環型社会と木材ー都市にもう一つの森林をー』/有馬孝禮
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